トラウマとPTSDは違う?症状や治療法を紹介

トラウマとPTSDは違う?症状や治療法を紹介 マインドフルネス

心に残る痛みや恐怖の記憶は、誰もが一度は経験することかもしれません。

そうした記憶を「トラウマ」と呼ぶことがありますが、その延長線上にある「PTSD」との違いについて、実はよくわからないという声も多くあります。

この記事では、心の傷について少しずつ理解を深めながら、自分自身や大切な人の心を守るためのヒントを考えていきたいと思います。

 

トラウマとは?

トラウマとPTSDは違う?症状や治療法を紹介

トラウマとは、強い精神的ショックによって心に深い傷が残ることを意味します。

心理学的には「心的外傷」とも呼ばれ、事故や災害、暴力といった極度の恐怖や苦痛を伴う体験が原因になることが多いです。

自分の体験では、小学生のときに目の前で友人が怪我をしたことがあり、しばらくの間、その場面が頭から離れませんでした。

毎晩そのときの音や表情を思い出し、眠れない日が続いたことを今でも覚えています。

時間が経って忘れていったようにも思えましたが、大人になってから似た場面を見て急に気持ちが不安定になったことがあり、あの記憶は完全に消えていたわけではなかったのだと気づかされました。

 

PTSDとは?

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トラウマが「心に強く残る記憶」であるのに対し、PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、その体験が日常生活に深刻な支障をきたすほど持続的に影響を与える状態を指します。

つまり、トラウマは誰にでも起こりうる反応ですが、PTSDは診断が必要な精神疾患とされているのです。

PTSDは、症状が数週間以上続き、強いストレス反応が日常生活の妨げになると診断されることがあります。

なかには数か月、あるいは数年後に症状が出てくる場合もあり、自分でも気づかないうちに心が悲鳴を上げていることもあるのです。

 

PTSDの主な症状

PTSDにはいくつかの代表的な症状があります。

まず挙げられるのが「再体験」と呼ばれる症状です。

これは、体験した出来事が繰り返し思い出される状態で、夢の中で当時の状況が再現されたり、似た状況を目にしただけで体が反応してしまうことがあります。

次に「回避行動」があります。

これは、トラウマに関連する物事を避けることで、精神的なストレスを軽減しようとする反応です。

事故を経験した人が車を運転できなくなる、暴力を受けた経験がある人が人との接触を避けるようになる、といった行動がこれに当たります。

また、「過覚醒」といって、常に神経が張りつめているような状態が続くことも特徴です。

小さな物音に過剰に驚いてしまう、集中力が続かない、怒りっぽくなるといった変化が見られることがあります。

 

トラウマやPTSDの原因とは

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PTSDの原因は多岐にわたります。

戦争や自然災害といった大規模な出来事に限らず、交通事故、犯罪被害、いじめ、家庭内での暴力など、日常の中で起こるさまざまな経験がきっかけになります。

特に幼少期のトラウマは、その後の人生に大きな影響を与えることがあります。

たとえ周囲から見れば小さなことに見えたとしても、本人にとっては非常に苦痛で、理解されにくい分だけ孤立感を深めてしまうことがあります。

以前、身近にいた人が学校でのいじめを長年引きずっていたことを打ち明けてくれたことがあります。

そのとき、「もう過去のこと」として片付けてはいけないのだと強く感じました。

 

トラウマやPTSDの治療法

トラウマとPTSDは違う?症状や治療法を紹介

心の傷を癒すための治療法は一つではなく、状況や症状、本人の性格や背景に応じてさまざまな方法があります。

ここでは、よく用いられている代表的な治療法を、できるだけわかりやすく紹介していきたいと思います。

 

認知行動療法(CBT)

まず最初に紹介したいのが、認知行動療法です。

これは、物事の受け止め方や考え方の癖を見直し、それに基づく行動を少しずつ変えていくことで、心の状態を改善する方法です。

自分自身が体験したときもそうでしたが、嫌な記憶が浮かんだとき、つい「またダメな自分が出てしまった」と思い込んでしまうことがあります。

そんなとき、認知行動療法では「その考え方は本当に正しいのか?」と、あらためて自分の思考を見つめ直す時間を持ちます。

実際にやってみると、自分がどれだけネガティブな解釈をしていたかに気づくことがありました。

例えば、人前で話すのが怖いのは過去に失敗した経験があるからだけれど、すべての人が自分を否定するわけではない、というふうに、考え方の幅を広げていくのです。

 

曝露療法(エクスポージャー)

次に紹介するのは曝露療法です。

これは、避けたくなる記憶や状況に、あえて段階的に向き合っていくことで、恐怖の感情を和らげていく方法です。

最初はとても怖いのですが、少しずつ慣れていくことで心の反応が変わってくるといわれています。

この方法は、急に無理をするのではなく、専門家と一緒に小さなステップを踏みながら進めていくため、安心して取り組めるように設計されています。

知人がこの方法を試していたとき、「最初は不安でいっぱいだったけど、数回目からは少しずつ『大丈夫かも』と思えるようになった」と話していたのが印象的でした。

 

EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)

最近注目されている治療法の一つにEMDRという方法があります。

これは、トラウマとなった記憶を思い出しながら、左右の眼球運動などを使って脳の情報処理を促進し、記憶に対する感情の反応を和らげていくものです。

少し不思議に感じるかもしれませんが、脳の自然な癒しの力を使うこの方法は、アメリカをはじめ多くの国で効果が認められています。

自分が実際に受けたことはないのですが、カウンセラーの方からこの方法について詳しく説明を受けたとき、「人の脳って本当にすごい力を持っているんだな」と感動しました。

 

薬物療法

心理療法に加えて、症状が重い場合は薬を使った治療も行われます。

抗うつ薬や抗不安薬などがよく処方され、過剰な緊張や不眠、恐怖感を和らげる手助けになります。

自分のまわりにも、最初は薬に対して抵抗を感じていた人がいました。

でも、医師と相談しながら適切に使うことで、心が落ち着き、日常生活を取り戻すことができたと話していました。

「薬に頼ることは甘えではない」と、その言葉がとても印象的でした。

芸術療法・音楽療法などの補助的な方法

絵を描いたり、音楽を聴いたり、身体を動かしたりといった方法も、トラウマの治療ではとても有効です。

言葉にしにくい感情を、別の表現手段で外に出すことで、少しずつ自分の内側にある気持ちと向き合えるようになります。

以前、ストレスで気分が沈んでいたときに、何気なく描いた絵や日記が心を軽くしてくれたことがありました。

誰かに見せるものではなく、自分だけの世界で感情を吐き出すことの大切さをそのとき学びました。

日常生活の中でできること

治療とは別に、日々の暮らしの中で心を守る工夫もとても大切です。

まずは「安心できる環境」を作ること。

身の回りの空間や人間関係を、できるだけ穏やかに保つように心がけると、気持ちも自然と安定しやすくなります。

また、決まった時間に食事をとる、しっかりと睡眠をとる、軽い運動を続けるといった、当たり前のことがとても大きな支えになります。

自分の場合、朝に5分だけ深呼吸をしながらベランダで空を見上げる時間を作ったことで、気持ちに余裕が生まれました。

安心して話せる人とのつながり

心の傷を癒していくうえで、誰かに気持ちを話せることはとても大きな意味があります。

専門家はもちろんですが、信頼できる友人や家族がそばにいるだけでも、孤独感が和らぎます。

「わかってくれる人がいる」と感じられるだけで、前に進もうという気持ちになれることがあります。

実際、自分も辛かったときに「話したいときはいつでもいいからね」と言ってくれた言葉に救われた経験があります。

自分を責めないことが一番の治療

何より大切なのは、「自分を責めない」ということです。

つらい記憶を持ち続けていることは弱さではなく、むしろそれだけ頑張って生きてきた証です。

回復には時間がかかりますが、それは自然なことです。

焦らず、一歩ずつ進んでいけば、きっと心の中に変化が生まれてきます。

誰かのペースと比べる必要はありません。大切なのは、自分自身のペースで、自分の気持ちを大事にすることです。

専門機関に相談することの大切さ

もしも自分で抱えきれないと感じたら、迷わず専門の機関に相談することをおすすめします。

精神科や心療内科はもちろん、各地域には無料で相談できる窓口もありますし、最近ではオンラインのカウンセリングも増えてきました。

一歩踏み出すのは勇気が要りますが、専門家に話すことで自分の気持ちが整理され、安心できる場があることに気づく人は少なくありません。

気持ちを言葉にすることで、心にスペースができるように感じます。

 

まとめ

トラウマとPTSDは違う?症状や治療法を紹介

トラウマやPTSDからの回復は、一足飛びにはいきません。

時間がかかってもいい、少しずつでいい、そう自分に言い聞かせながら歩むことが大切です。

そして、時には立ち止まってもいいと思います。

自分を責めるのではなく、よくここまでがんばってきたと認めてあげることが、回復への第一歩です。誰かと比べる必要はありません。

心の傷は目に見えませんが、確かに存在していて、ちゃんと向き合えば癒えていくものだと信じています。

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